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「あす旅」リレーブログ “第9回 笠間市編”

9回にわたってお届けしてきた「あす旅リレーブログ」もいよいよ最終回です。
今回は,昨年秋に益子焼とともに日本遺産に認定された笠間焼や生産量日本一を誇る栗が有名な笠間市を,水戸市観光課の中根が旅してきましたので,その様子をレポートします。

 

茨城の小京都・笠間を着物でぶらり

 

着物や浴衣といえば日本の伝統文化のひとつですが、近年は着る機会が減っているのも事実です。振り返れば、私も友人の結婚式で着物を着て以来、数年袖を通していないことに気付きました。今回は、気軽に着物のレンタルをして街を散策できると聞いて、『きものレンタル千成屋 笠間店』さんを訪れることに。千成屋さんは、ひたちなか市に本店を構える昭和12年創業の老舗着物店です。そんな歴史ある名店が「すべての人の記念日を最高の一日に…」という経営理念のもと、2019年に笠間市にレンタル専門店を出店。着付けや髪のセットもしてもらえると思うとワクワクが止まりませんでした!

 


店内のかわいいディスプレイで映え写真を撮ることもできます!

 

まずは約80種類の中から着物を選び、そこに帯や小物を合わせていくのですが、花柄も和柄もシックな黒もいいな…と目移りしてしまいます。レースのブラウスやベレー帽、ブーツを合わせた洋装ミックスコーデも人気と聞いて、どんな組み合わせにしようかと悩んでしまいました(笑)そんな私の姿を見かねた代表の矢内さんが「好きな柄の着物を選んだら、その着物で使っている一色と帯の色を合わせるときれいですよ。メインの色じゃなくて差し色に合わせるのがポイントです」とアドバイスをしてくださいました。一通り選んだら、着付けとヘアセット(オプション)をしてもらうのですが、肌着や足袋、草履にバッグなど、必要なものは全てレンタルに含まれていて、旅の途中でも手ぶらで着物体験できるのは嬉しいですよね。


小物も好きなものを選べます♪

 

着付けが終わったら早速笠間の街の散策です。千成屋さんから笠間稲荷神社方向に5分程歩いていくと、左手に木造3階建ての趣ある外観の建物が見えてきました。入館は無料、早速中へ入ってみると、囲炉裏付テーブルが設置されており 、室内には“つるし雛”がたくさん飾られています。ここは『かさま歴史交流館 井筒屋』として、明治中期に建築された旅館を2018年にリノベーションし、歴史や観光情報の発信、市民や観光客の交流の拠点として生まれ変わらせたそうです。ここでは、まちの観光情報が手に入るだけでなく、抹茶やコーヒーなどが注文でき、棚に並んでいる笠間焼の中から好きなカップで提供してくれます。また、2階は歴史展示コーナー、3階はイベントや集会に使える会議室となっており、まさに観光と交流の拠点でした。

 

 

井筒屋をあとにして徒歩5分ほどで笠間稲荷神社に到着。笠間稲荷神社は日本三大稲荷のひとつ。1360年以上の歴史があり、本殿は国の重要文化財にも指定されています。拝殿で参拝し、かわいいきつねの置き物の中に入っているおみくじを引いたり、仲見世を見て歩いたりしましたが、着物で訪れるといつもより背筋がピンとのび、とても清々しい気持ちになりました。

 

 

 

手作りにこだわるランチに舌鼓

 

散策しておなかがすいてきたので、以前笠間に来たときに気になっていた『ランチ&カフェ陶之助+』さんを訪れることにしました。日本家屋によく使われる下見板張りと近未来的な銀色の円柱形が合わさった個性的な形の建物に入ってみると、木や石を基調としたインテリアの中心に高い吹抜けがありました。この吹抜けがさきほどの円柱形の部分で、開放感がある造りになっていました。さらに最新の換気システムにより、窓を開放しなくても常時室内が換気されているため、安心して食事ができます。

 

 

今日はランチメニューの中から「スパイシーチキンカレーランチ」のケーキセットをオーダーしました。セットのケーキはベイクドチーズケーキや、バナナとクルミのクランブルケーキなど6種類の中から選べましたが、私の大好きなプリンを注文することに。料理が運ばれてきて驚いたのが、全ての料理が笠間焼作家さんの一点ものの器で提供されることでした。しかも、ひときわ大きくどっしりとしたカレー皿は、こちらのオーナーで陶芸家の高瀬 清栄さんが作陶されたものだそうです! オーナーさん自らが作ったお皿でカレーをいただけるとはさらに驚きでした!

 

 

スパイシーカレーは黒米のご飯にカレーがかけてあり、かぼちゃのスライスがまるで弧を描く虹のように盛りつけられている可愛らしいひと皿。一口食べてみると、見た目の可愛らしさとは裏腹にけっこう辛口! スパイシーな味わいの中に野菜の優しい甘さが広がる不思議な美味しさでした。こちらのカレーはスパイスを独自にブレンドし、小麦粉は使わず野菜と果物だけでとろみをつけているそうです。ランチについてくるサラダのドレッシングは自家製で、野菜の甘味とグレープシードオイル、ワインビネガーなどを調合したもの。プリンは濃厚でしっかりとしたタイプ。たっぷりのカラメルはほろにがで、からめて食べると大人の味でした。

 

 

また、上質な国産豚バラ肉を備長炭で炙った「あぶりチャーシュー丼」や、粘りが強く濃厚な旨みの自然薯の「特製とろろ丼」のセット、海老トースト付きの「野菜たっぷりスープ」などバラエティー豊かなメニューもあります。
オーナーさんの奥さんが主に料理を作り、カレーやスープなどの仕込みはご夫婦でなさるそうですが、できるだけ化学調味料を使わず、自然の甘みや旨みを活かした味付けにしているそうです。「お店では私たち自身が好きなメニューをお出ししています。タレもドレッシングも手作りで保存料なども一切使っていませんから安心して召し上がって欲しいですね。笠間焼の器にも親しんでもらって、ひとりでも多くの方に日常使いをしてほしいと思っています」という高瀬さんの言葉から手作りへのこだわりを感じました。

 

全9回にわたってお送りしてきた「あす旅リレーブログ」の連載はこれでいったん終了となります。これまで私たちが紹介してきた旅は県央の魅力のまだまだほんの一部です。紹介しきれなかった魅力をこれからも「あす旅ホームページ」でどんどん発信していきますのでチェックしてくださいね♪